最新の新品ビジネスフォンならではの機能として、IVR機能があります。
IVRとは、Interactive Voice Responseの頭文字を取ったもので、直訳すると「対話型音声応答」となります。IVRという言葉は耳にされたことがない方でも、コールセンターなどに電話した際に、「新規契約ご検討中の方は1番を、解約を検討されている方は2番を・・・」という音声ガイダンス、といえば馴染みのあるものなのではないでしょうか。
IVR機能は、新品ビジネスフォンの中でも一部の機種にしかついていない機能ですが、オフィスにとっても顧客にとっても非常に大きなメリットがあります。今回の記事では、IVR機能について解説します。
1、IVR機能の概要
ビジネスフォン(ビジネスホン)のIVR機能について紹介します。
IVR機能
IVR機能とは、電話が着信した場合に、自動応答で音声ガイダンスが流れます。
発信者は、ガイダンスに従ってボタンを押すと、希望の部署や担当者に繋がります。
IVR機能は、オフィス側から見れば電話の取次ぎの手間が省けることと、一つの電話番号で複数の部署や担当者に電話をつなげられる、というメリットがあります。また、発信者側から見れば、必要な部署に直接電話を掛けられるというメリットがあります。特にコールセンターや、外線電話の多い企業ではIVR導入のメリットが大きいでしょう。
IVR機能は、主装置にて設定を行います。
デメリットを挙げるなら、発信者側が電話先の部署を把握していない場合に、どのボタンをダイヤルしてよいかわからず、結局間違った部署にダイヤルをしてしまったり、ガイダンスを何度も聞きなおす羽目になってしまったりする点があります。そうならないためには、ガイダンスの内容を分かりやすくしておくこと、名刺などにダイヤルの番号を記載しておくことなどが重要です。
IVRと併用したい機能
IVRをより便利に活用するために併用したい機能について紹介します。
- 着信お待たせサービス
- 留守番応答機能
着信お待たせサービスは、「ただいま電話が混みあっております。恐れ入りますが、このままお待ちいただくか、しばらく経ってからおかけ直しください」という音声案内です。
IVRのガイダンスによって振り分けられた先が、通話中や離席中だった場合に結局、顧客を待たせてしまうことになります。その時に、ただコールが鳴り続ける状態になってしまうと、不親切だと思われてしまい、悪い印象を持たれてしまいます。ガイダンスがあるかないかで印象が大きく変わりますので、基本的にはセットで活用しましょう。
コールセンターでは少し使いづらいですが、一般企業の外線電話の場合には留守番応答機能を設置しておくのも良いでしょう。留守番電話に要件を残しておくことで、折り返し連絡をする際にも、要件を把握したうえで効率よく対応できます。
IVRの振り分けルール
IVRで振り分けを行う際には、大きく2通りの分け方があります。
一つは、部署によって分ける方法、もう一つはコールセンターなどで良く用いられますが、要件によって振り分ける方法です。
例えば部署によって振り分ける場合には、「部→課→チーム」、要件の場合に「顧客種別(新規or既存客)→大まかな要件→具体的要件」といった具合に2階層~4階層に分ける場合もあります。顧客にとって、ダイヤル先がわかりやすく、負担にならないよう、振り分けのルールを工夫しましょう。
IVR対応の機種
IVR対応の機種はそれほど種類が多くありません。
SAXAのPLATIAⅡシリーズや日立のINTEGRAL-Eシリーズなど対応している機種は限定されますので、購入前にカタログやホームページを確認しましょう。
また、IVR機能が付いている場合でも、機能が簡易的なケースもありますので、必要な機能を踏まえたうえで検討しましょう。
2、クラウドビジネスフォンのIVR機能
最新の新品ビジネスフォンでクラウドビジネスフォンを設置する場合には、クラウドビジネスフォンのオプションサービスでIVRを利用できる場合もあります。
クラウドビジネスフォンのIVR機能
クラウドビジネスフォンを導入する場合には、クラウドビジネスフォンのサービスとしてIVR機能が利用できるかもしれません。
例えばBIZTELやMOT/TELとったクラウドビジネスフォン事業者では、標準サービスとしてIVRサービスを提供しています。
こうしたクラウドビジネスフォンの場合には、初期投資費用が少ないのが大きなメリットです。IVR機能は、スタッフの少ない小規模のオフィスにとって、取次の手間を減らせるので非常にメリットがありますが、どうしても導入費用がネックになってしまう場合があるからです。
コールセンター用サービス
コールセンターでのIVRの導入を検討されている場合には、IVRや待ち呼などの機能がセットになったコールセンターに特化したサービスも展開されています。
IVR機能は、正しく使用すれば顧客の手間や待ち時間を減らすことができますが、間違った方法で運用すると逆に顧客満足度が下がってしまうサービスでもあります。導入すればよい、という種類のものではありませんので、業者の担当者の方と打ち合わせを重ねながら、顧客目線でサービスの導入を考えるのも一つの手段です。
3、まとめ
今回の記事では、ビジネスフォン(ビジネスホン)のIVR機能について紹介しました。
IVR機能は、電話着信時に機械による自動音声によって電話の接続先の振り分けを行う機能です。従来は、導入費用が高額なこともあり従業員数の多い大手企業やコールセンターなどでよく利用されてきました。
ただし、取次の手間を軽減できるという意味では、中小企業にも導入メリットは小さくありません。最新のビジネスフォンを導入するタイミングで設計を検討されてみてはいかがでしょうか?幸い、最新ビジネスフォンではIVR対応の電話機も登場していますし、クラウドビジネスフォンを活用した場合にはイニシャルコストをかけずにIVRを設置することもできます。
ガイダンスの案内が不明瞭であったり、時間が長くなってしまったりする場合には顧客満足度が下がってしまいますので注意しましょう。